「あの人とは気が合う」とか「あの人は虫が好かん」とか良く耳にします。職場で、友人付き合いで、気が合うかどうかは、今後うまく付き合っていくのにとても大きなファクターです。まして恋愛、結婚ともなれば二人の行く末は幸せか、それとも不幸せか知りたいですね。相性がいいかどうか、それは最重要課題でしょう。さて、あなたが交際している人との相性はいかがでしょうか?「相性は聞きたし歳は隠したし」と江戸時代の柳多留(やなぎだる)という川柳句集にもありますが、今も昔も相性がいいか悪いかは気になるものです。相性は古くは生まれ年で判断したようです。ことに縁組は相性が重要視されました。自由恋愛など許される時代ではなく結婚相手は親が決める時代でしたから。しかし今は「お互いが愛し合っていればいいんじゃない」と、それだけで結ばれるカップルがほとんどではないでしょうか。
でも待って下さい。もしもあなたの愛する人との相性が合わなければ、どちらかが、あるいは二人とも「結婚は人生の墓場だ」と呟くことになりかねないのです。今どんなに愛していてもその愛する人が「いつ別れ話を切り出せばいいんだろう」と悩むことになるかも知れないのです。相思相愛それが一番ですが、現実はそううまくは行きません。あなたがその時、算命学を知っていれば、不幸を避けられたかも知れません。今回はもし二人が結婚する前に算命学と出会っていれば、そして二人が相性鑑定を受けていれば、算命学で予測される二人の未来は大きく変わっていたのです。
今回はお子さんが一人いる若い夫婦の鑑定です。家族の相性を分かりやすく解説します。算命学はいわゆる当たるも八卦、当たらぬも八卦といった占いの類ではありません。古代中国から一子相伝で受け継がれてきた占星術です。陰陽五行説から導き出された宿命の星と運命の星とのぶつかり合いを読み解いて鑑定する、それが算命学です。
男性の宿命図は次のようになります。陰占と陽占を並べて示しました。
陰占(宿命図・命式) 陽占(人体星図)
申 戊 辛 丁 玉堂星 天恍星
酉 寅 亥 卯 車騎星 禄存星 牽牛星
戊 甲 天貴星 調舒星 天馳星
丙
甲 壬 乙
上記の「陰占」(命式)は生年月日から割り出した干支(かんし)を日干支、月干支、年干支と並べたものです。十干とは甲(こう)乙(おつ)丙(へい)丁(てい)戊(ぼ)己(き)庚(こう)辛(しん)壬(じん)癸(き)。十二支は年賀状を書く頃気になる子(ね)丑(うし)寅(とら)卯(う)辰(たつ)巳(み)午(うま)未(ひつじ)申(さる)酉(とり)戌(いぬ)亥(い)です。この干支の組み合わせである命式がその人の宿命となります。
陽占は陰占の命式から導きだされた十大主星、十二大従星をそれぞれの場所に配置したものです。人体星図ともいわれます。十大主星は貫索(かんさく)・石門(せきもん)・鳳閣(ほうかく)・調舒(ちょうじょ)・禄存(ろくぞん)・司禄(しろく)・車騎(しゃき)・牽牛(けんぎゅう)・龍高(りゅうこう)・玉堂(ぎょくどう)の十種。十二大従星は天報(てんぽう)・天印(てんいん)・天貴(てんき)・天恍(てんこう)・天南(てんなん)・天禄(てんろく)・天将(てんしょう)・天堂(てんどう)・天胡(てんこ)・天極(てんきょく)・天庫(てんこ)・天馳(てんそう)の十二種です。これらの星とその星の置かれた場所によって様々な意味が生じます。この陰占と陽占とを読み解きながらの鑑定となります。
それでは鑑定を始めます。陰占の命式で彼自身の位置は戊(ぼ)のある場所です。戊の配偶者は壬(じん)・癸(き)となり、命式の中に壬があります。この場所は家系の場所で、配偶者は家庭を守り彼の心の支えになることを表しています。つまり理想的な妻ということになります。
陽占で見てみましょう。彼の主星は禄存星(ろくぞんせい)です。天から引力本能を与えられた星で、ありとあらゆるものを引き付けてしまいます。愛すること愛されることが彼の関心事です。また禄存星は愛と奉仕の星でもあります。面倒見がよく、誰にたいしても愛情を分け隔てなく分け与えることが出来ます。しかしさらに踏み込んで言えば、彼の陽占には気になる星があるのです。
禄存星・天恍星(てんこうせい)・調舒星(ちょうじょせい)…この三つの星が陽占にそろっています。この三つの星が人体星図にそろうと、情操の星と呼ばれ、恋愛トラブルを起こす星となります。人体星図のどの場所にあっても情操の星となります。つまり彼はこれから先浮気を繰り返すと考えられます。奥さんを愛していればこの浮気心を抑えることもできるはずです。しかし彼が浮気をせず家庭の平和を願って生きていっても、その代わりと言っては酷なのですが、奥さんが彼の代わりに浮気をしてしまうのです。つまりこの夫婦には恋愛トラブルがつきまとうことになります。たがいの配偶者に知れることなく、トラブルが二人の間で表面化しないことを祈るばかりです。あるいは二人共に話し合い、この件に関しては寛容さをもって許しあう関係を築いていければいいのですが…人には感情がありますから難しいかもしれません。
次に奥さんの陰占、陽占を調べなければなりませんが、それは次回の「算命学の相性鑑定Ⅰ-②」で述べさせていただきます。
相性鑑定を書くにあたって、算命学の将来の予測には一つ一つそれを導き出す根拠があるということ、当たるも八卦当たらぬも八卦、などではないということをご理解いただけるとうれしく思います。
矢口南岳 作
明学院宇都宮校第1回生 編集
個人鑑定|2018年3月22日